ブラックストーン、不動産価格の底打ち指摘-「行動するタイミング」
(ブルームバーグ): 世界最大のオルタナティブ資産運用会社、米ブラックストーンの
ジョン・グレイ社長は不動産価格が底打ちしたと指摘。
値崩れした資産を素早く買い上げるべき好機が訪れていると述べた。
「極めてネガティブなセンチメントの中で価値下落がすでに起きており、
底打ち局面に入った時が行動するタイミングだ」と、グレイ氏はローマで
ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで話した。
同氏によれば割安資産を巡る競争はさほど厳しくない。金融機関では
低金利時代の融資で生じた含み損が実現し始めており、新規の資本需要が
著しく強くなっていると付け加えた。
一部の銀行だけでなく保険ファンドも価格を下げて売りに出さざるを得なくなると
考えられ、買いの好機は連続して訪れそうだとグレイ氏。
ただその規模は金融危機時ほどではないだろうという。
「別世界で行われた取引が今頓挫しているケースが大量に報じられるだろう」と述べ、
「しかし足元の資本コストは下がり始めており、スプレッドもタイトになり始め、
新規の建設は劇的に減ってきている」と指摘した。
ブラックストーンはすでに数十億ドル規模の不動産案件に対する融資を始めており、
170億ドル(約2兆5200億円)のポートフォリオが売却されたシグネチャー・バンクと
同様のケースが今後も出てくる可能性があるとグレイ氏は述べた。
シグネチャー・バンクは昨年3月に破綻し、規制当局の管理下に置かれた。
連邦預金保険公社(FDIC)は11月、シグネチャー・バンクの
商業不動産ローンポートフォリオを売り出し、ブラックストーンは応札に参加している。
「投資家というものは時に、慎重になり過ぎてチャンスを逃すリスクを負う。
金利が下がる前の今は良いタイミングだろう」とグレイ氏は述べた。
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グレイ氏は「不動産市場が底を打ち、金利が低下し始め、連邦公開市場委員会(FOMC)が
いずれ利下げに踏み切ると考えられる状況で、新規の供給は不足している。
商業用不動産の環境はより建設的となるはずで、ブラックストーン・リアル・エステート・インカム・
トラスト(BREIT)にはポジティブに作用すると考えている」と話した。